食べ物語り(とんかつ独り言編)つづき

とんかつ、それは注文した者の体調が良好であること暗に示している。
人間20代半ばを過ぎると胃腸が弱ってくる。
つまり「今日はトンカツ喰えるくらい胃腸の調子がいいんだぜ!」ってことなのだ。
話を戻そう。
思わず声をあげてしまった。
トンカツといったら通常ロースカツをしめす。
大体120g~150gのトンロースに塩胡椒をして、粉、玉子パン粉を付けて180度の油で揚げる。
しかしこのカツの厚さ、デカさはなんだ。
通常の三倍には見える、シャアカツとでも名づけるか?
いったいどうやって揚げたのだ?
まず左端の「頭」からいってみる。
切り口を見る限り生っぽくはなさそうだ。
噛んでみる。
サクっ!
衣のパン粉もシッカリサックリ揚がっている。
どうなっているのだ?
普通トンカツは身が厚いと火が入らない。
かといって低温で揚げるとべちゃべちゃになってしまうものだ。
そこで俺はある答えに行き着いた。
二度揚げか。
まず高温で表面をカリッとさせ、即座に低温に移して火を通す。
揚げ時は9割の状態、揚げ物は油で揚げて即出来上がりではない。
フライ物は表面の油がパチパチいってるのがおさまってはじめて出来上がりだ。
トンカツなら30秒~1分以上置いてから出すのがベスト。
そうすると余熱で最後の一割に火が入るのさ。
俺はもう一切れ口に放り込み、飯をかっ込み味噌汁で流し込む。
そしてキャベツを頬張る、を繰り返した。
塩胡椒の加減も良し、揚げ具合も文句なしだ。
そして最後、ここは俺のこだわりだ。
皿には尻尾(脂身の部分)二切れのみ、飯二口分、味噌汁一口分。尻尾を嫌う人もいるがロースの旨味は脂身にあり、マグロで言ったらトロなのだ。
カツを頬張り飯をかっ込む×2をじっくり楽しんだ後に、味噌汁で流し込む。
最高だ、最高の瞬間だ!
「ご馳走さん」
暫く余韻を楽しんだ後、俺は代金を払い店を後にした。
俺の古びた手帳にまた新たな店名が刻み込まれた。

テーマ : ショート・ストーリー
ジャンル : 小説・文学

食べ物語り(とんかつ独り言編)

腹がへっている。
とにもかくにも腹が減っているのだ。
なにかを食いたい欲求が胃の腑をしめつける。
さあどうしたものか。
俺は旅の途中、寂れた田舎町にたどり着いた。
時刻は一時半、朝から歩き通しで何も食べていない。
昨日の夜九時過ぎに蕎麦を食って以来だから16時間半ほどのプチ断食状態だ。
あたりを見渡してもこれといった店も無い。
暫く舗装された山道を行く。
そこから歩くこと30分、一軒の定食屋を発見。
昔ながらのいかにもな店構えに一瞬身構える。
だがこの定食屋以外に飲食店は無さそうだ。
つまり他に選択肢など残っていない。
意を決して店の戸を開け中に入る。
「いらっしゃいませ」
気の良さそうなオバちゃんの声と店主であろうオヤジの声が重なって聞こえてきた。
テーブルに通される。
見開きの気取ったメニューなんてありゃしない。
黄色い短冊に書かれた手書きのメニューが壁一面に張ってあるだけだ。
店内をぐるっと見渡し、「トンカツ定食」を注文する。
「トンカツ定食一丁~」
「はいよ~」
なかなかの連携プレイだ
出されたお冷で軽く口をゆすぐ程度に水を飲む
さあ勝負の始まりだ
私はかつて某グルメ雑誌において低価格なれど美味い店の記事を書くことを生業とする者。
いわゆるB級グルメライターであった。
しかし折からの高級グルメ志向の煽りを受け、B級グルメの記事は用無しとなっていった。
つまり、私は用無し、ラ・フランス状態なわけだ
それを理由にその雑誌社を辞め、今、食とは何かを模索する旅の最中なのだ。
まぁこんな寂れた田舎町に何かがあろうはずもない。
「はい、トンカツ定食お待ちどうさま」
四角い盆に載せられた茶碗の飯、味噌汁、おしんこ、そしてメインのトンカツ(大盛りキャベツ)が目の前に置かれる。
「こ、これは~!」
つづく

テーマ : ショート・ストーリー
ジャンル : 小説・文学

プロフィール

御手洗総司椿麻呂

Author:御手洗総司椿麻呂
最近サボり気味です、すみませんw
趣味全般でマイペースにいくざます

クリック募金
カレンダー
03 | 2007/03 | 04
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
月別アーカイブ
FC2カウンター
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブロとも一覧

■ ブログ名:諸魚無常(誤字にあらず) IN FC2

■ ブログ名:Magical×Little不定期日誌

■ ブログ名:なず屋 Ver.3
ブログ内検索